家族の一員として長い時間を共に過ごしてきたペット。その最期をどう見送るかは、飼い主にとってとても大切なテーマです。近年では、ペットの葬儀に対する意識も高まり、火葬や供養の方法をしっかりと考える方が増えています。その中でも、棺を用いるかどうかで迷われる方が多いようです。

棺は必要か

棺というと、人間の葬儀を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ペットにも専用の棺があります。サイズや形もさまざまで、小型犬や猫、うさぎなどそれぞれの動物に合わせたものが用意されています。では、なぜ棺を用いることが勧められるのでしょうか?

まず第一に、「心の区切り」をつけやすくなるという点が挙げられます。棺にペットを納め、手紙や思い出の品、お花などを添えて送り出すことで、飼い主の気持ちにひとつの節目が生まれます。突然の別れで気持ちが追いつかない中でも、葬儀の準備という時間が「お別れ」を受け入れる助けとなるのです。

また、衛生面の配慮という意味でも棺は役立ちます。火葬までの間、ご遺体を安置しておく際に棺を使用することで、においや湿気を防ぎ、清潔に保つことができます。特に夏場など気温が高い時期には重要なポイントとなります。

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さらに、葬儀に参列する家族や友人にとっても、棺に納められたペットの姿を見ることで、きちんとした「儀式」としての意味を感じ取ることができます。人間と同じように丁寧に扱われることで、ペットへの敬意がより深まり、「うちの子は大切にされていた」という実感が飼い主の心に残ります。

棺を用いることの意味とは

最後に、棺を使うことで写真を撮る際の印象も整い、後から見返したときにも穏やかな気持ちになれるという声もあります。大切な思い出として心に残るシーンを、きちんと形にして送り出すことは、ペットへの最大の愛情表現かもしれません。

ペットとの別れはつらいものですが、最期の時間を丁寧に過ごすことで、心が少しずつ癒されていきます。棺を使うという選択は、単なる形式ではなく、「ありがとう」と「さようなら」を伝える大切な手段のひとつ。ぜひ、ご自身やご家族の気持ちに向き合いながら、最善の送り方を選んでみてください。

ただ、火葬の際には通常の段ボールの棺を用いると大量の灰が発生し、遺骨と灰を分けることは困難になります。動物病院などでペット用の棺を入手することもできる場合もあります。また、当社でもペット用棺の販売をしていますので、お気軽にお問合せください。